本好き漫画好きの読書ブログ

読んだ本の感想やおすすめを紹介するブログです。本の紹介もしています。

2024-01-01から1年間の記事一覧

もう、聞こえない

【 「女の人の声が聞こえるんです」。殺人の罪を認め、素直に聴取に応じていた被疑者が呟いた。これは要精神鑑定案件か、それともーー。身元不明の男性が殺害された。加害者が自ら一一〇番通報し、自首に近い形で逮捕される。これで、一件落着。自分の出る幕…

すべての人にいい人でいる必要なんてない つらい日も 悲しい日も 毅然として そして淡々と 自分を

【人間関係に疲れて、自分を見失いそうになるとき、あなたに必要なのは、ほどよい距離感と自尊心です。この本は、そんなあなたに贈る、心の保護者となる82のエッセイです】 本のタイトル すべての人にいい人でいる必要なんてない つらい日も 悲しい日も 毅然…

地羊鬼の孤独

【中国妖怪を模倣した連続猟奇殺人事件に挑む刑事と、その背後に隠された過去の謎と怪異。密室、呪術、バラバラ殺人……謎と怪異が溶け合う未知のホラーミステリー】 本のタイトル 地羊鬼の孤独 出版社 光文社 作者 大島清昭 ♡あらすじ ♡ 全裸遺体の入った棺が…

52ヘルツのクジラたち

【 世界で一番孤独なクジラと呼ばれる52ヘルツの鯨の名を冠した、2021年本屋大賞受賞作。家族からの虐待やネグレクトに苦しむ女性と少年の、切なくも美しい魂の交流を描く感動の物語】 本のタイトル 52ヘルツのクジラたち 出版社 中央公論新社 作者 町田その…

六人の嘘つきな大学生

『六人の嘘つきな大学生』は、浅倉秋成さんのミステリー小説です。 舞台は、成長著しいIT企業「スピラリンクス」の新卒採用の最終選考です。最終選考に残った六人の就活生は、一カ月後にグループディスカッションを行うことになります。しかし、本番直前に選…

自殺プロデュース

自殺プロデュースは、山田悠介さんのミステリーホラー小説です。 白川琴音という大学生が、自殺する人のために音楽を奏でる極秘サークルに所属しています。サークルの指揮者は、真理乃という美人で才能ある女性です。 しかし、ある日、自殺志願者が死ぬのを…

アルジャーノンに花束を

アルジャーノンに花束をは、ダニエル・キイスの小説で、知能が低い主人公が実験によって天才になるが、やがて元に戻ってしまうという物語です。 この小説は、人間の知性と感情の関係を深く探求していると思います。主人公のチャーリーは、知能が上がるにつれ…

執着者

『執着者』は、櫛木理宇さんのサイコサスペンス小説です。元々は『老い蜂』というタイトルで単行本として出版されていましたが、文庫化にあたって改題されました。 物語は、平凡な会社員のサワが、恋人の智保と同棲を始めたことをきっかけに、薄汚れた老婆に…

八日目の蝉

八日目の蝉は、角田光代さんの小説で、不倫相手の娘を誘拐した女性と、その娘の成長後の物語です。 この作品は、母性というテーマを深く掘り下げています。 誘拐犯である希和子は、自分の子供を産めないことに苦しみ、恵理菜を自分の娘として愛しました。し…

#真相をお話しします

現代日本の社会やネットの影響を背景に、日常に潜む小さな歪みを見事に暴いていく本格ミステリーです私の感想としてはどの短編も、読者の予想を裏切る驚きのどんでん返しがある。特に、最後の「#真相をお話しします」は、物語の構成や登場人物の設定が巧妙で…

名探偵じゃなくても

認知症を患う祖父とその孫娘が、不思議な事件に挑むという、ハートフルな本格ミステリーです認知症の祖父が、時には名探偵のように鋭い推理をし、時には幻影に惑わされる様子がリアルに描かれている。祖父の症状は一進一退を繰り返し、読者も祖父の記憶や感…

ファラオの密室

古代エジプトを舞台に、死んでミイラにされた神官が現世に蘇り、自分の死の真相とピラミッドの密室事件を解決するという、斬新な本格ミステリーです私の感想としては、以下のような点が良かったと思います。古代エジプト古代エジプトの信仰や文化に基づいた…

自分らしく働くパラレルキャリアのつくり方

この本は、専業主婦から教育者、起業家、著述家として活躍する著者が、パラレルキャリアの定義やメリット、始め方、成功の秘訣などを紹介するエッセイです。 著者は、パラレルキャリアとは、自分のやりたいこととできることを重ね合わせて、社会のニーズに応…

専業主婦が就職するまでにやっておくべき8つのこと

この本は、専業主婦として17年間の子育てを終えた著者が、給食のおばちゃんから外資系一流ホテルの幹部になるまでの道のりと、専業主婦が就職するためにやっておくべきことを紹介するエッセイです。 著者は、専業主婦を一つのキャリアとして捉え、家庭をビジ…

燃える波

この本は、インテリアスタイリストとして活躍する帆奈美が、夫の隆一の浮気をきっかけに、自分の人生を見直す過程を描いた小説です。 帆奈美は、夫との関係が冷え切っていることに不満を抱えながらも、仕事に打ち込んでいました。しかし、ある日、夫のスマホ…

極上の孤独

この本は、孤独を愛する著者が、自分の人生経験や思考をもとに、孤独の意義や効用を語るエッセイです。 著者は、孤独とは一人で生きていく覚悟であり、自分を見つめることであると定義します。 孤独は、淋しさや寂しさとは異なり、自分の内面から光り輝く品…

反撃のコード いじめ返し

反撃のコード いじめ返し: 闘う者たちの青春ドラマ小説 作者:北川くるみ Amazon 本の概要 この物語は主人公、琴音がいじめに遭遇し、それにどのように対処するかを描いています。琴音は当初、美月というクラスメイトからのいじめにどう対策すべきかを見つけ…

medium 霊媒探偵城塚翡翠

**『medium 霊媒探偵城塚翡翠』**は、相沢沙呼さんによる興味深いミステリー小説です。この作品は、霊媒の力を持つ城塚翡翠と推理作家の香月史郎が共同で難事件を解決する物語です。 翡翠さんは死者を視ることができ、その特異な能力を活かして事件の真相に…

迷宮の記憶

私の初の出版本です✨ 本の概要 一人の若者が自身の過去と直面し、混乱と困難の迷宮からの脱出を試みる物語です。 主人公は、ある日突然、謎の洋館に閉じ込められてしまいます。洋館の中には、彼の記憶の片隅に存在する過去の出来事に関連するさまざまな手が…

殺戮にいたる病

殺戮にいたる病は、我孫子武丸のホラー・ミステリー小説です。 東京で連続殺人を犯すサイコパスの蒲生稔と、彼に関わる人々の運命を描いています。この本は、読者の思い込みを利用した叙述トリックで有名で、最後のページで衝撃的などんでん返しがあります。…

黒い家

黒い家は、貴志祐介さんのホラー小説です。生命保険会社の社員が、顧客の子供の首吊り死体を発見したことから始まる恐ろしい物語です。サイコパスの犯人との対決や、保険業界の闇などが描かれています。第4回日本ホラー小説大賞を受賞した作品です。 私はこ…

君が手にするはずだった黄金について

君が手にするはずだった黄金についてとは、小川哲さんの連作短編小説集です。小川哲さん自身を主人公に見立てたような「僕」が、成功や承認を求める人々との出会いや交流を通して、自分自身や小説というものについて考える様子が、鋭くもユーモラスに描かれ…

阪急電車

阪急電車の本とは、有川浩さんの連作短編小説集です。私はこの本を読んで、とても感動しました。阪急今津線の電車に乗る人々の様々な人生が、片道15分の間に交錯していく様子が、繊細で温かい筆致で描かれています。登場人物たちは、恋や家族や友情や夢など…

私が見た未来 完全版

『私が見た未来 完全版』は、漫画家のたつき諒さんがこれまでに見た予知夢の記録と、その夢が現実になった事例を紹介した本です。 この本は、2025年7月に日本と周辺国に大災難が起こるという予知夢を中心に、著者の霊的な体験や背景についても語られています…

可燃物

可燃物は、米澤穂信さんのミステリー小説です。 群馬県警の葛警部を主人公とした短編集で、崖の下、ねむけ、命の恩、可燃物、本物かの5つの事件が収録されています。 私はこの本を読んで、葛警部の冷静で鋭い推理に感心しました。事件の真相を見抜くために、…

苺飴には毒がある

苺飴には毒があるは、砂村かいりさんの青春小説です。主人公の寿美子は、幼なじみのれいちゃんという毒友との関係に悩みながら、自分の夢や恋を追い求める物語です。 毒友とは、毒にしかならないのに、情があって離れられない友達のことです。寿美子は、れい…

汚れた手をそこで拭かない

「汚れた手をそこで拭かない」は、芦沢央さんのミステリー短編集です。2020年に文藝春秋から出版されました。5つの物語が収録されており、それぞれに人間の欲望や罪悪感、復讐や裏切りなどのテーマが盛り込まれています。タイトルは、人の心に潜む汚れや闇を…

三千円の使いかた

「三千円の使いかた」は、原田ひ香さんの小説です。お金というテーマを通して、三世代の女性たちの人生を描いています。お金の使い方は、その人の価値観や幸せの基準を表すというメッセージが込められています。私はこの本を読んで、自分のお金に対する考え…

推し、燃ゆ

推し、燃ゆは宇佐見りんさんの芥川賞受賞作品です。ままならない現実を生きる女性がアイドルに夢中になり、けれどもそのアイドルが暴行事件を起こして引退を決めてしまい、心の拠り所の喪失に直面する様を描く物語であります。 主人公のあかりは、地下アイド…

人間標本

人間標本というタイトルに惹かれて読んだのですが、湊かなえさんらしいイヤミスでした。 蝶に魅せられた研究者が美少年たちを標本にするという猟奇的な殺人の話ですが、語り手が変わるたびに新たな事実が明らかになり、最後まで読者を惑わせます。 蝶の知識…