本好き漫画好きの読書ブログ

読んだ本の感想やおすすめを紹介するブログです。本の紹介もしています。

52ヘルツのクジラたち

【 世界で一番孤独なクジラと呼ばれる52ヘルツの鯨の名を冠した、2021年本屋大賞受賞作。家族からの虐待やネグレクトに苦しむ女性と少年の、切なくも美しい魂の交流を描く感動の物語】

 

 

本のタイトル 52ヘルツのクジラたち

出版社 中央公論新社

作者 町田そのこ

 

 

❤️あらすじ❤️

 

自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚は、東京から大分の海辺の町へと移住する。そこで、母親から虐待されて言葉を失った13歳の少年と出会う。貴瑚は自分の過去と重ね合わせて、少年を助けようとするが、それは容易なことではなかった。二人は、他者に理解されない孤独を抱えながらも、互いに心を通わせていく。

 

 

❤️見どころ❤️

 

本作の見どころは、貴瑚と少年の関係性です。貴瑚は少年に「52」という名前をつけて、自分の家に匿ってやります。少年は貴瑚に対して、初めての信頼と愛情を感じます。しかし、二人の仲は周囲からの理解を得られず、さまざまな困難に直面します。それでも、二人は一緒にいることで、自分の存在意義や幸せを見つけていきます。貴瑚と少年の、孤独な者同士の結びつきは、読者の心に深く刻まれるでしょう。

 

 

❤️感想❤️

 

私は貴瑚と少年の気持ちに強く共感しました。私も、家族や社会からの期待に応えられないことで、自分の居場所を見失ったことがあります。貴瑚と少年のように、誰かに受け入れられたいと思ったこともあります。本作は、そんな私にとって、希望の光となりました。貴瑚と少年は、自分たちの声が届かなくても、諦めずに生きていく姿勢が素晴らしいと思いました。彼らは、自分の価値を他人に決められないということを教えてくれました。

 

 

 

❤️社会的な問題も多く取り上げています。児童虐待やネグレクトはもちろん、介護やトランスジェンダー毒親など、現代社会で多くの人が直面している課題が描かれています。作者は、これらの問題に対して、偏見や先入観を持たずに、真摯に向き合っています。本作は、読者に対して、自分の目で見て、自分の心で感じて、自分の言葉で伝えることの大切さを訴えかけています

 

 

 

 52ヘルツのクジラたちは、孤独な者同士の魂の交流を描いた感動の物語です。貴瑚と少年の関係性は、読者の心に深く刻まれるでしょう。社会的な問題にも真摯に向き合っており、読者に対して自分の目で見て、自分の心で感じて、自分の言葉で伝えることの大切さを訴えかけています。本作は、孤独な人に希望の光となる一冊です

 

孤独や苦しみを抱えている人、自分の居場所を探している人、社会的な問題に関心がある人にオススメです。本作を読んで、自分の声を大切にして、自分の幸せを見つけてほしいと思います。本作は、2024年に映画化される予定です。映画も楽しみにしてください。